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Lenovo ZUK Z2のBootloader(ブートローダー)のUnlock(アンロック)

Lenovo ZUK Z2のBootloader(ブートローダー)のUnlock(アンロック)についてです。実機を元にしながらUnlock手順を画像付きで説明します。

Lenovo ZUK Z2のBootloaderのUnlock

Lenovo ZUK Z2は、中国のLenovo傘下ZUKのスマートフォンです。
5インチ フルHD液晶、Snapdragon 820、4GB RAM、3,500mAhバッテリーを搭載し、4G+3GのDSDSにも対応したハイスペックな端末ですが、実売約2万円という低価格で販売されています。

ZUK Z2について詳しくは以下の記事を参照して下さい。

root化やカスタムROMを導入するためには、BootloaderをUnlockする必要がありますが、ZUK Z2のBootloaderのUnlock方法はNexus端末と大きく異なります

Nexus端末では、開発者向けオプションからBootloaderのUnlockを許可した後、Bootloaderを起動し、PCからコマンドを入力して実行することでUnlockできました。

一方、ZUK Z2はそのままUnlockできるわけではなく、事前にメーカー公式ページから申請を行う必要があります。
申請を行うと、Unlock用イメージファイルをダウンロードすることができます。そのイメージファイルをBootloaderから書き込むことによってUnlockします。

Unlockする上での注意

ZUK Z2のBootloaderをUnlockすると、メーカー・販売店の保証が無効になります。Unlockは自己責任でお願いします。

ZUK Z2のBootloaderをUnlockすると、端末が初期化され、すべてのデータが消去されます。Unlockする前に必ずバックアップを取ってください。


なお、Unlockするとこのようなメッセージが表示されて標準ROMのOTA更新が不可能になります。
再びOTA更新できるようにするには、BootloaderをLockし、Factory Imageを書き込む必要があります。
詳しくは、後述する「BootloaderをLockするには」を参照して下さい。
UnlockするとOTA更新が不可能に

事前準備

ZUK Z2のBootloaderをUnlockするには、いくつかの事前準備が必要です。

adbコマンド(fastboot)を使えるようにしておく

ZUK Z2のBootloaderのUnlockには、PCでadbコマンド(fastboot)を使えるようにしておく必要があります。

adbコマンド使えるようにする方法について、詳しくはこちらの記事を参照して下さい。


adbコマンドを利用するには、上記作業に加えて、端末のUSBデバッグをONにする必要があります。
ZUK Z2公式ROMにおいて、USBデバッグをONにする方法はこちらの記事を参照して下さい。

BootloaderのUnlock用イメージファイルのダウンロード

Unlockに必要なイメージファイルをダウンロードします。

端末のシリアルナンバーの確認

BootloaderのUnlock申請には端末のシリアルナンバーが必要です。申請前に確認して、メモしておきます。
  1. 端末を起動し、「設定(Settings)」アプリの一番下の「About」を開き、上の「Status」を開く
  2. Serial number」が表示されているので、メモなどをして番号を控える

ZUKアカウントに登録

申請のために、まずはZUKアカウントに登録する必要があります。
  1. アカウント登録ページを開く
  2. 右の「Register via email address」をクリックする
  3. メールアドレスによる登録ページが開くので、必要事項を全て記入し、「Register」をクリックする
    ※上から、「メールアドレス」「パスワード」「パスワードの確認」「認証コード(右の5桁の数字)」です
    「メールアドレス」は必ずメールを受信できるものにして下さい!Unlock用イメージファイルを受け取れません!
  4. 登録が完了すると、アカウント情報画面が表示される
  5. 登録したメールアドレスにメールアドレス確認メールが届いているので、リンクをクリックしてアカウント登録を完了する
  6. 完了画面が表示され、アカウントが正式に登録されたことを確認する
これでアカウントの登録が完了しました。

BootloaderのUnlockを申請

続いて、登録したアカウントと確認したシリアルナンバーを使って、BootloaderのUnlock申請を行います。
  1. BootloaderのUnlock申請ページ(ZUK开发者平台-解锁bootloader)を開く
  2. 右上の「登录」(登録)をクリックする
  3. 中央にログイン画面が表示されるので、登録した「メールアドレス」と「パスワード」を入力して、下の「登录」をクリックする
  4. 右上にユーザー名が表示され、ログインできたことを確認する
  5. ページ下部左下の「继续」(継続)をクリックする
  6. 型番」「シリアルナンバー」「Unlock用イメージファイルを受け取るメールアドレス」を入力する
    シリアルナンバーは8桁です!7桁以下の場合は末尾に0を追加して8桁にして下さい!
  7. 2つの同意事項にチェックを付け、「提交」(提出)をクリックする
  8. 「Unlock用イメージファイルが入力したメールアドレスに送信されたので、メッセージを確認せよ」と表示されるので、「確定」をクリックして閉じる
  9. 入力したメールアドレスにUnlock用イメージファイル(unlock_bootloader.img)が添付されたメールが届くので、イメージファイルをPCにダウンロードする
    ※イメージファイルは再度Unlockする場合に必要なので、大切に保管して下さい!
これでUnlock用イメージファイルが手に入りました。

なお、メール本文に記載されている通り、やっぱりUnlockしたくないという場合はメールを無視して放置しておけば良いようです。

BootloaderのUnlock

ダウンロードしたUnlock用イメージファイルを使って、BootloaderをUnlockします。

今回はインド版Factory Imageを導入したZUK Z2を例に紹介します。中国版やいわゆる"ショップROM"では手順やコマンドが異なる可能性があるので注意して下さい。

インド版Factory Imageを導入する手順はこちらの記事を参照して下さい。BootloaderのUnlock不要で導入できます。

Bootloaderの起動

まずはBootloaderを起動します。
  1. PCと端末をUSB接続する
  2. PCでコマンドプロンプトを開く
  3. adb reboot bootloader」と入力し、「Enter」キーを押して実行する
  4. 補足手順:adbの許可を求められた場合、「Always allow from this computer」をタップしてチェックし、「OK」をタップして許可する。その後、もう一度手順3を実行する。
  5. 端末が自動的に再起動する
  6. 画像のような画面が表示され、Bootloaderが起動したことを確認する
    ※まだUnlockしていないため、一番下の「DEVICE STATE」が「locked」になっています
    「DEVICE STATE」が「locked」になっている
これでBootloaderが起動できました。

Unlock後のBootloaderの起動方法

Unlock後はBootloaderをボタンの組み合わせで起動することができます。

  1. 端末の電源を完全にOFFにする
  2. 電源」ボタンを押して電源をONにする
  3. BootloaderがUnlockされているという警告画面が表示されるので、「音量+」か「音量-」を素早く連打する
  4. Options Menu」画面が表示されるので、「音量+」か「音量-」を押して「Fastboot」を選択する
    ※選択されると緑色で表示されます
  5. 「電源」ボタンを押して決定する
  6. Bootloaderが起動する

 fastboot用ドライバのインストール

Bootloaderが起動したら、PCからコマンドを実行できるようにドライバをインストールする必要があります。

こちらの記事の「Bootloader起動時のドライバ(Android Bootloader Interface)のインストール方法」を参考にして、ドライバをインストールして下さい。

BootloaderをUnlock

ドライバをインストールしてfastbootコマンドを実行できるようになったら、BootloaderのUnlockを行います。

Unlock用イメージファイルの書き込み

ダウンロードしたUnlock用イメージファイルを書き込み、Unlock出来るようにします。
  1. PCでコマンドプロンプトを開く
  2. fastboot flash unlock」と入力し、最後に「半角スペース」を入力する
    ※「fastboot flash unlock 」となるはずです
  3. ダウンロードしたUnlock用イメージファイルを、コマンドプロンプトの画面上にドラッグアンドドロップする
  4. fastboot flash unlock (パス名)unlock_bootloader.img」となっていることを確認し、「Enter」キーを押して実行する
  5. finished」と表示され、Unlock用イメージファイルが書き込めたことを確認する

Unlockコマンドの実行

続いて、Unlockコマンドを実行します。
  1. PCでコマンドプロンプトを開く
  2. fastboot oem unlock」と入力し、「Enter」キーを押して実行する
  3. コマンドプロンプトに「finished」と表示されたことを確認する
  4. 端末にBootloaderのUnlock確認画面が表示される
  5. 音量+」か「音量-」を数回押して「Yes」を選択し、「電源」ボタンを押す
    選択すると緑色で表示されます
  6. BootloaderがUnlockされ、端末が自動的に再起動する
    ※途中、何回か別の画面が表示されますが、何も操作せず再起動が完了するまでそのままにして下さい
  7. 端末の再起動が完了し、初期設定画面が表示される
これでBootloaderがUnlockできました。

なお、この状態でBootloaderを起動すると、一番下の「DEVICE STATE」が「unlocked」となっており、きちんとUnlockできていることを確認できます。
「DEVICE STATE」が「unlocked」になっている

BootloaderをLockするには

「Unlockコマンドの実行」の手順2において、「fastboot oem lock」と入力することでBootloaderがLockされます。Unlockする場合は、再度「BootloaderをUnlock」の手順を行って下さい。

※このコマンドを実行すると端末が初期化され、すべてのデータが消去されます。Lockする前に必ずバックアップを取ってください。

OTA更新できるようにするには

ZUK Z2は一度でもBootloaderをUnlockすると、以後、標準ROMのOTA更新が不可能になります。(インド版ROMにて確認、中国版は未検証)

どうやらOTA更新をするには「fastboot oem device-info」の内容が全て「false」でないとダメなようです。
このような状態でないとOTA更新ができない

前述の通り、コマンドプロンプトから「fastboot oem lock」を実行すれば再度Lockできますが、「Device relocked:」が「true」になってしまうためOTA更新不可のままです。
「fastboot oem lock」を実行すると「Device relocked: true」に

いろいろ試してみたのですが、「fastboot oem lock」を行った後に、
  1. 中国版Factory Imageを「clean all」で書き込む
    ※この時点で「fastboot oem device-info」が全て「false」になります
  2. 端末を起動する
  3. インド版Factory Imageを「clean all」で書き込む
という手順で「fastboot oem device-info」を全て「false」にすることができ、OTA更新もできるようになりました。

ということで、上記の手順でLockした後、こちらの記事を参考にFactory Imageの書き込みを行って下さい。
※「OTA更新できるようにするには」に同様の手順を記載しています。

FAILEDと表示されてUnlockできない場合

FAILDと表示されてUnlockできない場合、Unlock申請時に入力したシリアルナンバーが間違っている可能性があります。もう一度確認し、再度申請してやり直して下さい。
間違ったシリアルナンバーで申請するとFAILEDとなりUnlockできない

余談:fastbootコマンドに「-i 0x2b4c」は不要だった

多くのサイトで、ZUK Z2のfastbootコマンドには「-i 0x2b4c」というオプションが必要であると書かれています。
例えば、「fastboot -i 0x2b4c flash unlock unlock_bootloader.img」のような形です。
(ちなみに「-i 0x2b4c」は"id OEM"と呼ばれるものだそうです)

しかし、ZUK公式手順(ZUK开发者平台-解锁bootloader)にこのオプションは書かれておらず、今回紹介したように実際には不要でした。

Nexus端末でもこのオプションは不要なので、エラーなくfastbootコマンドが実行できている場合は使わないほうが無難でしょう。

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